Art scene
10月のロンドンは「フリーズ・ウィーク」を中心に、ギャラリーでのオープニングや大型プロジェクトが相次いでスタートした。同時期に行われた現代美術のオークションも中国、インド作品を中心に高値を更新した。また大型の美術館では、Doris Salcedoのインスタレーションが公開され話題を呼んだTate ModernでLouise Bourgeois展、Tate Britainでターナー賞回顧展が行われた。今年のSerpentine Gallery Pavilionは、Olafur Eliassonと建築家Kjetil Thorsenの共作となり、本館内ではMatthew Barney展が開かれていた。
取材・文:編集部
Doris Salcedo : Shibboleth at Tate Modern
Tate Modernの巨大なTurbine Hallの床全体を横切る「ひび割れ」そのものが、Doris Salcedoのインスタレーション「Shibboleth」。10月9日のオープニングには、多くの美術関係者が集まった。
Tate Modernのエントランスからコンクリートの床に延々と続く、突然にできた深い溝とそれを覗きこむ観客たち。コロンビア出身のSalcedoは、欧米社会の繁栄の陰に存在する搾取や欺瞞、差別といった隠蔽され続ける事実をこの作品を通じて訴えたかったとのこと。2008年4月に埋め戻されるという。
Yayoi Kusama at Victoria Miro
Victoria Miro (London)のオープニング。『フリーズ』での展示と同時に、ギャラリーでも草間彌生の展覧会が行われた(10.10 - 11.17)。
広々としたスペースに黒と白を基調にした大型ペインティングの新作が展示され、作品は初日にほぼ完売した。
Urs Fischer at Sadie Cole HQ / London
Sadie Cole HQ(London)は「フリーズ・ウィーク」に市内4ヶ所でも展示を行い、メイフェア地区の倉庫を改造したスペースでは、Urs Fischerの新作「uh...」が紹介された(10.11 - 11.17)。
Phillips de Pury & Company
「フリーズ・ウィーク」には、コンテンポラリーアート部門のオークションが連日開催された。この秋のシーズンも、中国やインドの作家たちの作品の高騰は続いている。Phillips de Pury & Company
オークション前に数日間行われるプレビューの風景。出品される作品を実際に間近で見て、コンディションがチェックできる。
Serpentine Gallery Pavilion 2007 / London
「Serpentine Gallery Pavilion」は、その時点では英国内に作品を完成させていない、しかし国際的に注目を集める建築家やデザイナーを紹介するプロジェクト。2000年のZaha Hadidからスタートし、Oscar Niemeyer、Daniel Libeskind、伊東豊雄などがSerpentine Galleryの入口に置かれるこのパビリオンの設計に参加した。8回目となる今年はOlafur EliassonとKjetil Thorsenの共作となった。
パビリオン内のOlafur Eliassonのインスタレーション。外光が入るため、時間によって空間の表情が大きく変わっていく。
上が天窓からの自然光で、下がOlafurの作品。その中間に、パビリオン内部全体を俯瞰できるバルコニーのような台が張り出している。
Kjetil Thorsenは、オスロとニューヨークを拠点に活動している建築家。Olafurとはこれまでにもいくつかのプロジェクトで協働している。8月からスタートした展示は、11月5日に終了した。
登録日:2007年11月15日
関連レポート:フリーズウィーク2007